神殺し奇譚シリーズ第3話

@takumaru0506

呪いと死神と世界の輪郭


漆黒に浮かぶ提灯の様な柔らかい光が連なる。


目の前にいる若い男は笑みを浮かべこちらを見ている。

俺は呆然としながら、周りを改めて見回す。

判然としない世界、霧がかった世界、人の居ない閑散とした街並み。

神呪が口を開く、お前今この世界がハッキリ見えてないな!呪いが強すぎて低級、無害の物が見えてないと、こちらに投げかける。

神呪が熙に目配せをする。

神呪(熙あれを)

熙(....うん)

熙は着物の袖から青銅の鈴を出し一振り、リーンと鳴る。また二振りする甲高い鈴の音色がなり青銅の鈴が弾けて消えてゆく、その刹那一気に周りの視界が広がり見えなかった物が見え始める。

手足が何対(なんつい)ある者、上半身がない者、色んな者が所狭しと闊歩している。不思議な事に怖いなどは一切なく。困ったとだけ一言漏れた。

神呪が熙にありがとう、一言柔らかく呟く。

団子一緒に食べると問われると首が捥げる(もげる)ぐらい頷く熙。

俺は呆然としながら周りをみてきずく。

俺が居たのはオフィス街、路地を二、三本入っただけで明治並みの街並み。四季もバラバラで足元には彼岸花が咲いている。

俺は顔を上げ神呪を見るとゆっくりとした動作でお面を外す。今まで何とも思わなかったが神呪の服装がデニム、Tシャツ、スニーカー、ニット帽、メガネとゆう何とラフな格好である。

神呪が俺に今から神殺しに行くよ〜っと軽口で言ってくる!

俺は待って待って。色々解らない事があるからと巻くし立てると。

神呪は笑いながらまぁ焦る必要はないこの世界の在り方に慣れれば良いと話を投げかける。

先ずは腹ごしらえと呪具の調達と言いながら街の幻想に3人溶け込む。


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