第16話 明日の予定とオトモダチ

聖水だとしたら報酬を出さない訳には行かないって強く言われた。

んー対価は必要なのか。


「あの、神殿てどういうところですか?」


「神殿は神に使える神官が所属していて祈祷をする者や病気の診断治療、御札や聖水の販売、必要なところに神官の派遣や各地にある教会の運営や取りまとめをしております。

大きな契約や機密のものは神殿契約といい神に誓って契約する効力の強いものは神殿で神官が立会いしています。

そして使徒様は神の使いですので神殿では崇拝されております。」


「神殿は祈祷とか聖水をしゅうにゅうにしているんですね」


「販売しているものや病気の治療は基本的に料金設定がありますが

そのほかは寄付という形で値段は決まっておりません。

各地の教会はその領地からの寄付が多く運営費にまわります。」


「よし。じゃあ聖水だったらその報酬は神殿とこの領地のきょうかいに寄付ということにしましょう!」


「全額寄付でよろしいのでしょうか?」


「いいです!そのかわり、きょうかいには後で行ってみたいです!

神殿は僕がいったら面倒くさいことになりそうなので」



「確かに神殿の神官が使徒様にお会いすると感動して大変だと聞きますからな。

教会の方はこの領地のでしたらいつでも訪問できるように連絡入れておきます。」



「やった〜!」

白虎さんと生活してた時森ばっかだったから知らない土地の生活見るの楽しいんだよね。

前はひきこもりというか家からできるだけ出ないで休日過ごしたりしてたけどあれは働き過ぎだったのかもしれない。




明日は朝ギルドで木と魔獣などの納品、ゲイルさんのところで見学させてもらってから牧草地で実験。

砦も見学させてもらえることになったので楽しみすぎる。



お水のことがあってハンクスさんたちはちょっとお疲れ顔だったので申し訳ない。

疲れの取れる水だったらよかったのにね。



ノルスさんに抱っこされて自室に戻りました。


「マサト様。湯浴みの準備もできてますがいかがいたしましょう。

着替えてそのままお眠りになりますか?」


「ノルスさんちょっとお隣に座ってください。」

ソファに座らせてもらってお隣をタシタシ叩きます。ここにどうぞ!


「いえ。侍従ですので。私のことはノルスと‥」

「そのお話したいので横にお願いします!」

タシタシ。


熱意が伝わったのか横に座ってくれました。

横を向いてしっかりお顔みながらおはなしです。

「僕、自分より大きな人を呼び捨てするの苦手なんです。

もちろん、大人だった記憶あるのでノルスさんより僕年上なんですけど、今こどもの見た目で。

そしてノルスさんが呼び捨てにして欲しいとか丁寧に話すのやめて欲しいっていうのもわかります。身分がとかそういうやつですよね。」


「はい。使徒であらせされるマサト様は国王陛下でも何も強制できない方ですので全ての者は下の身分です。

まして、私のような従者に丁寧な対応は必要ありません。」


「そうですよね。だから、あの、ノルスさん!僕とオモトダチになってください!」

サッと右手を前に出す。


「は?」


「あの、オトモダチは気軽に話すと思うのでそしたら僕呼び捨てできるかなって思いました。」


「オトモダチならですか?」


「はい!この世界にトモダチいないし白虎さんはもう魔法とか色々教えてくれて師匠っていうかだし、ハンクスさんは保護者的な感じだし丁寧になっちゃうんですけど

ノルスさん僕についてくれるって言うしもっと仲良くなりたいしそしたらオトモダチかなって」

なんか恥ずかしくてツラツラ喋っちゃう。



「従者ではダメでしょうか?」


「お仕事だと思うのでこのお家の中とか、他の人がいる時はそれでいいんです。

でも2人の時はトモダチみたいにしてくれたら僕も気軽に話せるので」


「ではお屋敷以外の場所で二人の時は友達のようにいたしましょう。」


「はい!ありがとうございます!

あの。ノルって呼んでも良いですか?僕のことも呼び捨てで!」


「はい。構いませんが私が呼び捨てにするわけにはいきません。」


「んー。じゃああだ名!まーくんとか、まーちゃんとか呼ばれたこともあるし。」


「まー様でいかがでしょう?」


「さま」

がっかり。オトモダチ度半減です。


「まー様。これでもかなり譲歩ですよ」


「むー。ちょっと不満だけど絶対にもっと仲良くなってみせます!」


「ふふふ。面白い方ですね。俺ももっと仲良くなって頼らせてみせますよ」


「わぁ!ノル!俺っていった!すごい!」


「他の人がいない時だけ。秘密だぞ」


「うん!ノル。これからよろしくね。」

もう一度右手を差し出す。


「まー様。よろしく」

笑顔で手を握ってくれるノルと熱い友情の握手を交わしました。

この世界で初のオトモダチ確保です。

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