第14話 お肉もモグモグ

みんな集合した食堂で夕飯兼お話しです。



あまりお腹空いてないので少量のサラダとスープをもらいました。


「マサト様はあまりお食事をされないようですが?

軽食も一口しか食べずクレイが心配しておりました。」

優雅にモリモリ食べていたハンクスさんが手を止めて聞いてきます。


この世界の作法がよくわからないけど食べながら話しちゃうのはマナー違反だとおもうので

噛んでたサラダを飲み込みました。

素のままの草食べてたからドレッシング美味しい。さっぱり。


「なんか食べなくても大丈夫なからだっぽいです。

食べたい気持ちはあるけど胃が小さいので少しで充分です。」


「本日のメインはマサト様から頂いた魔獣の肉です。一口でもお食べになりますか?」


「んー。豚っぽいやつのお肉ならちょっとだけ食べます。」


すぐに取り分けられた肉をノルスさんが持ってきてくれます。

薄いスライスで一口ハムって感じです。


「いただきます。」

カミカミ。もぐもぐ。

柔らかくて美味しいです。

「おいしいです。お肉久しぶりに食べました。」


「白虎殿のところではあまり肉は食べませんでしたか。」


「白虎さんはちょうりしないですしそのままガツガツたべるので僕は食べなかったです。

火のちょうせいできるようになっても下処理してないお肉食べるしゅうかんがないので。」


「確かに血抜きの甘い肉は臭くてあまり食べたいもんじゃね‥ないですね。」

冒険者ギルド長のカイゼルさんが語尾を直しながら同調してくれる。


「僕には敬語じゃなくてだいじょーぶです。気楽におはなしうれしいです!」


「あ、ありがとうございます」

カイゼルさん僕とあまりお話ししてないもんね。


「マサト様は下処理した調理済みのものでしたら肉料理をお出ししても大丈夫でしょうか?

厨房から好みや好き嫌いなどお聞きしたいと言われておりますが。」


「さっきの量くらいなら食べられます!

あ!でもウサギさんのお肉はごめんなさい。食べられません。」


「何かダメでしたか?」


「いえ。ココに来る前?大人だった頃に飼ってたんです。

えーっとペットってわかりますか?一緒に暮らしてた家族みたいなどうぶつです。

なのでウサギさんとか、猫さんとか犬さんとかは食べられなくて。

森で魔獣のうさぎさん集団に襲われたことあるんですけど、こうげきできなくて‥はなしあってかえってもらいました。」


「「「話し合って帰ってもらった」」」


ハンクスさんとカイゼルさん、フィンデルさんがハモる。

みんな仲良く息が合っているね。


「そうでしたな。マサト様は魔獣と意思疎通できるんでしたな。」

ハンクスさんが納得してくれます。


「魔獣になった動物は攻撃的になるみたいで、人や他の動物を襲いたくなるみたいです。

うさぎさんたちせっとくするの大変で、集団ごと最終的にエイって囲ってあまり強そうな魔獣のいないところにひなんしてもらいました。」



「えいって囲って避難」

フィンデルさんが復唱してくれます。


「ちょっと待ってください。魔獣になった動物とは?

魔獣として生まれた者ばかりじゃないということでしょうか!?」

ハンクスさんが食いついて

「魔獣と話せるってそういうこともわかるのか?」

カイゼルさんが首を捻っています。


「えっと、長く生きてる魔獣さんが普通の熊だったけど気がついたらツノが生えてきて毛の色も茶色が黒になってて魔獣化してたって言ってました。

あと森で魔獣として生まれた子のがきょうぼうでだれでも襲うって。

俺はやるぜ!って襲ってくる子は最初から魔獣の子がおおくて、お話し合いできるのは後から魔獣化した子がおおかったです。」


はふ。

スープも美味しいです。コンソメっぽいシンプルスープ。


「後天的に魔獣となるとは。これは報告と検証が必要な案件だ。」


「なんか、黒い魔素がいっぱいあるところにずっといるとそうなっちゃうみたいです。

そういうスポットがあるって元熊さん言ってました。」


ハンクスさんが眉間を押さえています。

元熊さんのお話はしないほうが良かったのか?



「ハンクス様。先に魔木などについての報告などのお話をいたしませんか?」

フィンデルさんが話進めてくれるよ。


「そうだな。ではカイゼルの方から頼む」


「はい。

魔木の切り出し、加工についてはゲイルが中心となって請負ってくれることになりました。

ハンクス様の方で指定された物以外の残った素材は冒険者ギルドで買取、他の領地からも素材の買取したいと連絡がきているものもあります。

魔獣の素材も含めてこの領地優先ですができるだけ他にも回してやりたいです。

というわけでマサト様にはまた魔獣や魔木をギルドに納品していただきたく‥」


「はい。行きます!ギルド楽しいし、あとゲイルさんのお仕事けんがくしたいです!」


「ありがとうございます。こちらで連絡しておきますので見学はいつでも。

魔木のほうも今後はギルド内倉庫にいただければ、本日の倉庫のほうには冒険者ギルドの者が運びます。」


「ではこちらの屋敷での報告を。

本日、マサト様がクリーンを使った際に屋敷の敷地内の清掃が行き渡ったことは報告済みでしたが

先ほど夕刻までに敷地内の温室や畑の草花や野菜が豊作です。

と言いますかまだ種蒔きや苗植えをしたところだったはずですが収穫できるようになってます。

これはどういったことかおわかりになりますでしょうか?」



あれ?クリーンだったはずだけど芽吹きや成長促進も入ってました?

「勢いでせいちょー促進もしてましたかね」

テヘヘ。


「「「勢いで」」」



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