第13話 お世話してくれる人です。
お部屋に運んでもらってすぐに用意される軽食。
お水と草のサラダと果物で生きてきたので胃が小さいのか軽食でも食べ切れる気がしない。
ついてきてくれた執事さんに言ってスープを小さいカップに半分とトマトとレタスみたいな野菜のサンドイッチを一欠片もらいました。
食べ残しダメ!
勿体無いオバケ出るよって昔言われた記憶が蘇ってきた。
執事さんに聞いたら食べなかった分は従僕さんなどが引き受けてくれるっていうのでお願いしました。
食べ盛りらしいです。
食べながらも眠くなってきたけど頑張って残さず食べます。
ココに来てからちゃんとしたお皿に乗った食事初めてでそういえば食事ってこんな感じだよなと思い出しました。
ネムネムしていると執事さんの隣に青年が1人。
「マサト様。こちらマサト様専用の侍従として配置します『ノルス』です。
身の回りのお世話や移動のお手伝い、必要なものの手配や警護も致しますのでお申し付けください。」
「じじゅーさん」
眠い。意味はわかるけどねむい。
「ノルスと申します。
マサト様失礼致します。」
そう言ってオレをベッドに運んで毛布をかけてくれたところで寝落ちました。
挨拶できなくて申し訳ない。
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にゃむ。
あかるい。まだ明るいよね。
寝過ぎてないだろうか。
ゴロンとして体を起こすと侍従さんが駆け寄ってきてくれました。
「お目覚めになりましたか?」
ベッドの端に座らせてもらいます。
ぬるめの白湯を小さいカップでくれました。
「ありがとうございます。えーっとノルスさん。」
「私のことはノルスと呼び捨てでお願いいたします。」
「んー呼び捨ては慣れないので」
「この機会に慣れていただきたく思います。」
うーん。固い!なんか固いな。
「あの、時間間に合いますか?夕方にハインツさん達と約束しています。」
「はい。伺っております。
まずは身支度を。お髪を整えてもよろしいでしょうか?
先程は間に合いませんでしたが、お体に触れる許可をいただきたく思います。
これから侍従としてマサト様の身の周りのことは私が致しますので。」
俺まだサクサク歩けなかったり、着替えは時間かければできるけどお風呂とか心配されるし仕方ないよな。
なんかこの世界の人たちって抱っこの時もそうだけど身体に触れる許可を求めてくるね。
「はい。よろしくおねがいします。」
「ではお髪失礼致します。」
そう言って髪を梳かして編みはじめてくれる。
「執事さんもだったけど、髪編むの器用ですね。」
「はい。侍従になるにあたってひと通りのことが取得できなければ侍従にはなれませんから。」
「ノルスさんは侍従になりたかったんですか?」
「ノルスとお呼びください。」
「のるす」
「私は幼い頃から騎士に憧れておりました。ノールザルク辺境騎士団はこの国でも屈強な騎士が集まるので憧れておりまして中等教育が終わったら騎士学校に行くつもりでした。
しかし、15歳が近づいても身体はそれほど大きくならず筋肉もつきにくく、魔力もそれほどないので文官を勧められまして。」
確かにハインツさんや冒険者ギルド長のカイゼルさんに比べたらって感じだけどあそこらへんはムキムキすぎだもんな。
なんか身体の厚みと足腰の安定感がすごい。
「身体を動かすことは好きですが騎士になれるかというと適性もなく文官になろうと。
憧れてたノールザルク辺境騎士団の近くで文官の仕事をしたいなと思っていたところ
色々ありまして‥‥そこそこ体術できることと器用さも買われ侍従をしております。」
ノルスさんは20そこそこかな。まだ若々しい青年て感じだもんな。
薄茶のくりんとした癖毛っぽい髪。きっちりシャツとベストの三揃いを着こなす細身の身体。
「じゃあハインツさんの侍従が良かったのでは?ぼくに付くことになってごめんなさい。」
「いえ。この地をお救いいただけるマサト様に仕えることができて嬉しく思います。」
「ん?救ったのは聖女さんでは?」
「いえ。国の瘴気による危機を救ったのは聖女様ですがこの地を救うお力はマサト様のものです。」
ん?魔獣持ってきたからかな?
「お時間にもなりますのでハインツ様の元へ向かいましょう。
食堂で皆さんお集まりになるそうです。」
そう言ってオレを抱っこしてくれるノルスさん。
細いけど安定感あります。騎士になれなくても鍛えてるタイプですね。
2階の廊下歩いてるとなんか緑に溢れたお庭や1階が見えますがなにか人が多いような?
バタバタしてます?
ごはんの用意忙しいのかな。
そういえばここはメイドさんが少ない気がする。男の人多い。
「メイドさんあまりみかけません。」
「はい。戦えない者は瘴気による影響が少ないうちに王都に避難しております。
奥様とお子様と同時期に領民でも希望者を募りましたのでメイドや従僕も付いて行きました。そろそろ戻ると伺っております。」
「おー!じゃあ残ってるノルスさん戦える人ですね。」
「魔獣の群れ相手には無理ですが魔獣単体や対人に関してはそこそこ凌げるのでこちらに残らせていただきました。ノルスとお呼びください。」
「むー。のるす」
口を尖らせていたらちょっと微笑んでくれたので良しとします。
お世話なるからちょっとずつ仲良くなれたらいいな。
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