第11話 エイエイって練習しました。
ゲイルさんとバイバイして今度は冒険者ギルド長室に来てます。
ハンクスさんとご相談したいのです。今度は木出していいですか!
「魔木もお持ちでしたか」
「魔木っていうのがいまいちわからないけど、
白虎さんの所の近くの森で魔獣がえいってやって倒れちゃった木とか、襲ってきた木とかです!」
「白虎殿のお住まいの周りなら‥魔木でしょうな。
魔素が溜まって硬く丈夫すぎるほどに強化された木のことです。
魔力を通しやすく扱いは難しいので加工する技術はいりますがさまざまな物に使われます。特に魔道具には必須ですね。
襲ってくる木はトレントでしょう。トレント材も通常の木よりも丈夫で育ちがはやいので大きい物が多く重宝されます。」
「じゃあいっぱいあるので使ってください。
白虎さん木使わないっていうし。
あとトレント?で作った炭があります!まほうのれんしゅーするのにちょうどよくて。」
「マサト様魔法の練習で炭を作るとは?」
フィンデルさんが聞いてくる。
「んと、木をまるっと包んでちょっと空気通す穴開けてそれを強すぎない火力でボボっとします。
包むのは範囲結界のれんしゅー、空気通す穴は思ったとおりに結界操作できるかで
ボボっと上手く火をつけるのも火加減のれんシューです!
ぼく、火加減うまくできるようにがんばったのです。」
「火加減の練習。
そしてマサト様は結界が張れるということですか。」
「できます!教えてもらったので。」
「教えてもらえば出来る‥」
ハンクスさんが眉間を押さえています。
「とりあえず魔木とトレント材とそのトレント炭か。
それを見せていただきたいですな。」
カイゼルさんが話を進めてくれる。
大きいのでギルド所有の倉庫に移動しました。
今度は木をポイポイです。
「「「大きい」」」
白虎さんのところって魔獣も木もよく育ってるのかな。栄養がいいのかも!
「んと、炭は結局使ったことなくて。
お肉いっぱいあるし炭火焼きぱーてぃーできますね。」
みんなでワイワイするの楽しそう。
オレあまり食べられなそうだけど美味しそうに食べてるの見るのも楽しいよね。
「炭火焼きパーティとはどういうものでしょうか?」
ハンクスさんは知らないらしい。
「お外で炭火でお肉とか野菜とかやいてたべます。ばーべきゅーとも言います。
この世界にあるかな?」
「私は炭火焼きパーティに参加したことはなかったもので」
「はっ!!パーティって言ったらなんか踊るやつのになっちゃいますか?
たこパもない世界?」
「たこぱはわかりませんがパーティといったら舞踏会が多いですな」
「えっとじゃあ炭火焼き祭り!
うーんちがうか。
なんかみんなに炭も使ってもらえたらなって思ったんですけど。」
「ひとまずこの炭はギルドで使ってみましょう。
今までトレントを炭にしたものはありませんでしたので検証が必要です。」
フィンデルさんが提案してくれます。
「じゃあこのトレント材や魔木も辺境伯様経由でギルドに入ってきたってことにして加工に出します。
俺のほうでゲイルにも話しておきます。
この大きさじゃゲイルくらいの腕と魔力でないとまず切り出しができないでしょうから。」
カイゼルさんも請け負ってくれます。
「またまたお手数おかけします」
ペコリ。
ゲイルさんお仕事よろこんでくれるかな。
「マサト様のご希望する物があればこちらの材で作らせますが何かありますか?」
ハンクスさんが聞いてくれますがオレ白虎さんのところで何もなくても過ごせてたので全然物欲ない。
「ぼく、それで何ができるかわからないし欲しいものないです。
ギルドいったときみんなボクがハンクスさんちに居る子って知ったらとても親切にしてくれて、それってハンクスさんがココのみんなにとって良い領主さんだからだと思うんです。
だから木も炭もハンクスさんの思うように使ってください。」
「領民が親切なのは嬉しいですね。まあマサト様がお可愛いらしいからだと思いますよ。」
「ぼく、ずっとフードかぶってて顔ちゃんと見せないし怪しい子に見えたと思うんですけど」
「ああ、そうでした。
ここに移動する前にギルドで子供用のメガネを買ってきたのでかけませんか?」
フィンデルさんが丸いレンズの眼鏡を見せてくれます。
「子供が色付レンズを掛けていることはあまりないので普通のレンズですが少しは目のお色が目立たないかと。
フードをずっとかぶっているわけにもいかないでしょうし。」
「ありがとうございます」
お礼を言って掛けてみる。ちょっと大きいから顔半分眼鏡かなって感じだけど大丈夫です。
「認識阻害効果をかけられる魔術師に加工を願えれば良かったのですが今この街にはそれほどの腕の魔術師がおらず‥お時間いただきますが取り寄せますので」
「にんしきそがいこうかですか?」
「そうですね。
他から見えなくなるとか存在をわかりにくくするような魔術です。
使っていただいた髪の染色剤も同系統の魔術で違う色に認識させるという効果があるものです。」
ふむ。
なんか出来る気がする?
オレはメガネを外して、髪色と同じ濃い蒼に見えるように念じながら魔力を指先から一滴垂らす。
レンズとフレームに広がった魔力が浸透して行くのを感じたのでできた気がします。
そのまま眼鏡装着。
「どう見えますか?」
「め、眼のお色が蒼になりました。」
「せいこーです!!」
「ちょっとお待ちください。
マサト様は認識阻害の魔術もお使いになれるのですか?」
ハンクスさんが慌ててます。
カイゼルさんは後ろであんぐりしています。
「んーと。なんかできそうだなって思った魔法はだいたい使えます。
そのときできなくても練習すればできるようになるんですよ!
結界魔法はエイエイッていっぱい練習したらできましたし、白虎さんが魔法はそうぞーりょくだっていってました!」
「「「エイエイって練習したらできる」」」
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