第8話 髪のカラーチェンジと身体の不思議
ということで生活ギルド長室に来ています。
フィンデルさんがね。
俺が持ってた草離そうとしないのでもうそのまま渡しまして
俺の事も抱っこして連れていってくれようとしたんだけどね。
中身がオッサンなもので女性に密着してはいけないという気持ちが大きくて自分で歩きます!って言ったんだ。
しかし身体は幼児なので歩幅短くてヨチヨチです。
見かねた執事さんが着いてきてくれて抱っこで連れてきてくれました。
お手間をおかけします。
ギルド長室に着いてすぐに毛染め薬を使わせてもらいました。
すごい。蒼髪。ラピスラズリのような濃いブルー。
この世界に来てから髪切って無いから肩下くらいのロングなもんで自分でも髪見えるんだけど不思議な感じする。
「その髪色もお似合いですな」
執事さんが言ってくれてニッコリしています。
応接セットのフカフカソファに座って髪色の心配もなくなりご満悦のオレ。
執事さんも横に座って欲しかったんだけど後ろに控えてる。
前に座ってるフィンデルさんは実と草を眺めてうっとりしている。
コンコン
「失礼いたします。魔道具をお持ちいたしました。」
「入って」
フィンデルさんが呼んでいたらしい。
入ってきたのは小柄な男性。
何か小物をフィンデルさんに渡し、一緒に持ってきてくれたワゴンでお茶を淹れてくれようとしていた。
「私が変わりましょう」
後ろにいた執事さんが交代してお茶を淹れ始めてくれる。
「マサト様。こちら生活ギルド副ギルド長で農業系を取りまとめているイグニスです。」
「マサトです!よろしくおねがいします。」
イグニスさんも濃紺のスーツ。ギルドの制服だね。襟がちょっと違うのかな。
「ま、マサト様よろしくお願い申し上げます。」
「イグニスはこちらのポピュアの実と長命草の鑑定を。
マサトさま。こちらの魔道具の説明をさせてください。」
魔道具っていうかネックレスを見せられた。
「こちらは全ての民が持つものです。
この魔道具に魔力を登録していただきますとギルドでお金のお預かり、大きなお金のやりとりは全てこちらで出し入れできます。
使徒様にお聞きしたところ「ギンコウ」「キャッシュカード」と呼ばれる同じような機能があるということですが‥」
おお!わかりやすい!
「ギルドがぎんこうでそのネックレスがキャッシュカードですね!わかります!」
「話が通りやすくて良かったです。
こちらにマサト様の魔力を登録させていただき、先ほどのポピュアの実と長命草の代金をこちらに振り込ませていただきたいと思いますがいかがでしょう。
全てのギルドで入金出金もできますし大きな買い物の時もこちらの魔道具で支払えます。」
「はい。お願いします!」
「ではこちらの魔道具に血を一滴垂らしていただきまして…」
「んー。無理な気がします。」
「ああ!すぐにポーションで傷は治しますので痛みは一瞬ですがっ」
慌ててくれているがそこじゃないんだ。
「違うんです。ボク血が出ないと思います。」
「「「は????」」」
フィンデルさんにイグニスさん、お茶を入れ終わって後ろに待機していた執事さんもあんぐりですね。
「ボクはキズがつかないっていうか、魔獣の爪も弾いてしまってキズ出来なかったので。
あと、何故か髪の毛も切れないし抜けないです。」
「「「は?????」」」
そう。髪洗っても抜けないの。
白虎さんに頼んで髪切ってもらおうと爪で弾いてもらったけど切れない。引っ張っても抜けない。
もう最後のあたりなんて白虎さんオレの髪で爪研いでたからね。
「髪も切れない、抜けないということですが試してみたのですね。そういえば浴室でも抜けませんでしたね。」
そっか執事さんがお風呂入れてくれたもんね。
「そうなのです。ハサミとかで試したことはないんでやってもいいけどできなかったらごめんなさい。」
「えっと、そうですね。とりあえず魔道具に使う用の針とよろしければハサミもお持ちしましょう。」
「おねがいします。切れるなら髪きりたいです。」
イグニスさんが素早く部屋から出ていった。
「マサト様。この世界では体内の余った魔力が髪にたまるのです。
魔法をお使いになるのでしたらあまり長さを短くしない方がよろしいでしょう。」
執事さんが教えてくれる。
「んー。じゃあ切れたら前髪だけでもきりたいです。」
「かしこまりました」
「マサト様はもう魔法がお使いになれるということですか?
それならこの魔道具に魔力を直接込めて登録出来るかもしれません。
通常この魔道具は生まれてすぐ、もしくは幼児期に登録するものなので血を媒介に魔力を登録していますが魔法を使えるなら魔力を直接込めてみましょう。」
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