第4話 野宿じゃないせいかつはじまります!
案内されながら教えてもらったが白虎さんにハンクスと呼ばれていた人はこの土地の領主で
ハンクス・ノールザルク辺境伯というらしい。
薄氷のような薄いブルーの髪を伸ばし後ろで留めている。瞳も薄いブルー。
ムキムキ。オレを抱き上げてる腕が丸太。
抱きかたが慣れているのでお子さんがいると思うなぁなどと考えているとゲストルームらしい部屋に着いた。
ソファにオレを下ろし、膝をついて目線を合わせてくれる。
「使徒様。まずはお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
そうでした。名乗ってない。
「あい。忽那正人でふ!まさとが名前でつ。」
噛んでしまった。
「マサトさま。」
「様いらないです。」
「使徒様に敬称を省略することはできません」
申し訳なさそうな顔をする辺境伯様。
「あう」
こちらもシュンとするしかない。
「マサト様。着替えをご用意しました。
よろしければ入浴の準備もできておりますのでこちらの者に手伝わせていただいてもよろしいでしょうか?
執事のクレイです。」
入浴!この世界に来てから池に入ったり魔法のクリーンを使ってきたので温かいお湯に浸かるということをしていない。
入りたい!!
「にゅーよくしたいです。よろしくおねがいします。」
ペコリ
「はい。精神誠意努めさせていただきます。
こちらこそよろしくおねがいたします。」
にこやかな笑顔の執事さんが丁寧に対応してくる。
「では浴室にお連れしますね」
そう言って抱き上げてくれた。
本当なら自分でできるけど幼児の身体で水場はね。
すってんころりんと行きかねない。
貫頭衣を脱がせ、ぬるめのシャワーを足元にかけてくれる。
「お熱くありませんか?」
「だいじょぶです」
確認しながら肩までゆっくり濡らしてくれてから湯船に浅めに溜めたお湯の中に入れてくれた。座ってお腹あたりの水位。
シャワーのお湯をかけながらだんだん水位を上げてくれる。
「はふ〜ぬくぬくです。」
「このくらいの湯量にしておきますね」
シャワーもあるしそこからお湯もでるんだなぁ。
「すいどう?おゆ?出るんですか?」
「こちらの浴室の設備は水もお湯も出ます。
ここの魔石の赤い方がお湯です。水の青い魔石の方と混ぜて温度調節をしております。
マサト様はまだお小さいですから浴室などの使用には使用人をお付けしますので何なりとお申し付けください。」
「おー。ジャブジャブ出る。ありがとーございます」
魔石ね。ふむふむ。
「ではこのまま髪と身体を洗わせてください。」
「お願いしまつ」
洗われながら色々聞いてしまう。
あわあわのもこもこ。
シャンプーやコンディショナー、石鹸もちゃんとあった。
日本人て綺麗好きなところあるからそういう環境大事。
うん。お風呂ある生活いいね。
浴室を出て脱衣所でタオルに包まれる。
「ふきふきね。タオル久しぶり〜」
思わず呟いてしまった。
「マサト様は汚れておりませんでしたが今までどうしておいででしたか?」
驚かれた。そうね。池で洗われると思ってないよね。
「えっと。クリーンできます。魔法です!」
「おお!お小さいのに素晴らしい!
普通ですと魔法が使えるのは6歳過ぎてくらいですし最初は魔力も弱くクリーンもなかなか上手くいかないものですよ。」
「白虎さんが教えてくれました。」
褒められて嬉しくなってしまった。白虎さんのスパルタ魔法講座を受けた甲斐があるというものだ。
ニコニコするオレにつられて執事さんもニコニコ
「おふろそうじたいへん!クリーンしておきます。」
「えっっ⁈」
使った浴室を掃除させるの申し訳ない。お手間は取らせないようにしますので。
ピカピカにしておきますね。
「くりーーーーん」
ピッカー!!!
褒められて高揚していたせいか魔法の加減を間違えたらしい。
浴室だけでなく光が走った。
オレはまだ知らない。
光はこの屋敷中に広がり、大きな光の柱が見えたと街で騒ぎになっているなんて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます