第8話
文化祭終わり、片付けも終わり、いつもよりちょっと早く帰路に着く、もちろん碧と一緒に。
「ふー、文化祭楽しかった〜」
「どこのクラスも気合い入ってて凄かったよな。」
「ま、優斗と一緒に回れたのがやっぱり一番かな。」
まーたそういうこと言う、何回心を揺さぶって来れば気が済むんだ碧は。
「でも、2人きりにはなれなかったな…」
「まぁ…人が多いし仕方ないのかもね。」
「だから、早く終わったことだし、2人で遊ぼ〜」
「それはいいと思う。」
「じゃあ久しぶりにうちの上来てほしいな〜」
碧の家か、2人で遊ぶ時は自分の家に来てもらってばっかりだったっけ、だから上がらせてもらうのは結構久しぶりだ。
「準備出来たら言ってくれ〜」
「わかったー!」
そうして上機嫌で準備をしに家に帰って行った。よくよく考えると、碧の家に前お邪魔したのは、半年以上も前だった気がする。あの頃と今ではかなり考え方も変わっていて、ちょっと気恥しいなと思ったりもする。
「上がって上がって〜」
「お邪魔します、で、なにする?」
「実は考えてないんだ、えへ」
「考えてないんかい!」
どうやらノープランらしい…
「とりあえずゲームするか」
「うーん、普通にゲームするだけじゃいつもと同じだよね、だから…勝った方の言うことなんでも聞くってことで!」
「つまり、勝ったらなにかして欲しいことをひとつお願いするってことでいいのかな?」
「そう!、やろ!」
どうやら罰ゲーム(?)付きのゲームが始まるようだ。種目は某アソビ大全から選んでチェスをすることになった。
「え、ちょっと碧強くない?」
「えへへ〜、優斗に勝てるように練習してたんだ〜」
く!、してやられた!、というかチェスなんてほとんどやったことないから勝てるわけないと思うんだけど!?、とまぁ負けてしまった訳で。
「で、一体俺に何をさせたいのかな?」
「んー、優斗にハグしてほしい!」
ん…え?、ハグしてほしいって言った?、俺から?、いろいろと恥ずかしいんだけど?
「え、え、え?」
「負けた優斗に拒否権はないでーす、私にハグしてくださーい。」
うーん、どうやら回避する方法は無さそうだな…こうなったら。
「ふわ!?、あ、え!?」
俺が恥ずかしがってる顔が見えなくなるくらい碧にハグをする。
「えへ、なんだかあったかいね、じゃあ私も。」
恥ずかしがらせたくてハグしたのに、碧からもハグを返してきて、さらに恥ずかしくなる。
「これからも、優斗の傍に居たいな。」
「…うん…俺も。」
そうして1分ほどお互い抱き合った。
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