第9話

碧と抱き合った後、今日は帰ることにした、まだ付き合ってもないにしては、触れ合いが、特に最近は多いような気がする。幼馴染ってこんなかんじなのかな?、まあそう思うことにしておこう。


「あらもう帰るの?、よかったら晩ご飯食べていく?」

「あ、いいね!、食べてってよ!」


碧のお母さんが晩ご飯を用意してくれるらしい、碧も一緒に食べたそうにしている。


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」

「やった〜、じゃあ用意してくるね〜」


そうしてこの場を立ち去った碧を後目に、碧のお母さんは話を始めた。


「最近、優斗くんと一緒にいるときの碧はとっても楽しそうなのよ、だからこれからも、一緒に居てあげて。」

「一緒にいると居心地もいいですし、なにより…いえ、大丈夫です。」

「ふふふ、わたしも、そんな頃があったものね。」


そう言って上機嫌に料理を作っていた。


「ご飯の用意出来たわよー」

「はーい!」


食器の用意を終わらせた碧が元気な声で駆け寄ってきた。


「お母さんの料理は美味しいんだよ〜」

「楽しみにしてるよ」


そうして雑談しながら出された料理をたいらげた、そうして。


「今日はお邪魔しました、晩ご飯までいただいてしまって。」

「人が多いほうが賑やかでいいってものよ、それに」


僕と碧のほうチラチラ見ながら。


「これからのことが楽しみだし。」

「あ、はい。」


楽しみにされてもって感じなんですけど!


「ん?、なんのこと?」


どうやら碧は何を話しているのかわかっていないようだ。


「まあ、また明日ね〜!」

「また学校で会おう」

「何言ってんの、一緒に行くんだよ?」


どうやら明日も一緒に行くことになるらしい。まあそれは嬉しいから大歓迎だけどね。

そうして家に帰って、課題終わらせて…課題を碧の家に置いてきた、取りに行かないと、そう思っていると家に誰かが来た。


「もー優斗!、忘れ物してたよ!、うっかりさんなんだから、まったくもう。」

「ごめーん、取りに行こうと思ってたとこ、ありがと。」

「忘れ物持ってきてあげた対価としてハグを要求します。」

「また!?」

「また!」


どうやらハグしてほしいようだ。だからさっきみたいにぎゅってしてあげた。


「えへ、やっぱり安心するね。」

「うん、そ、そりゃどうも。」

「恥ずかしいのかなぁ〜優斗は。」


そりゃあ恥ずかしいよ、もちろん。

ハグしてほしい以外にも、この反応が見たいから言ってる節がありそうなのがとても悔しい。


「じゃ、ほんとのほんとに、また明日ね〜」


そうして満足したのか、手を振って帰っていった。

まだ顔が熱い、一体どうしてくれるんだ。そう思いながらも、碧に届けてもらった課題をすべく部屋に戻っていった。

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