第5話
最近学校に居ると見られることが増えた…いや、俺自身が見られてるというより、碧と一緒に居る時にニヤニヤして見られることが増えたと言った方が正しいか。
「最近碧と居ると視線を感じるんだよね。」
「え!?、気のせい、じゃ、ない!?」
明らかに動揺している。やはりなにか事情を知っていそうだな。知られたくないみたいだから追求はしないけど、
「ちょ、ちょっとトイレ言ってくるね!」
そうして遠目で見てた2人と共に行ってしまった。やはりなにか話をしているようだ。特になにかした覚えはないんだがな…まさか俺が碧のことを好きなのがバレて、それを見て楽しんでるわけでは?…さすがにないか。
「ただいま戻りました!、そろそろ家帰ろ」
今日も今日とて一緒に帰ることになった。
「いつも通ってる道じゃない方通って帰らない?」
「いいね!、久しぶりにそっち通る!」
いつも通る道は最短だが、あまり帰り道に店などがない、ちょっと寂しいルートだ。一方もう片方は駅があるのでその近くに商店街などが立ち並ぶ、賑やかなルートだ。まあその分人も比較的多く、回り道になるのであまり通らない訳だが。しかもこの道を通っていると決まって。
「へー、これ新発売なんだ!、おいしそー、また一緒に食べよ〜」
こうなる、食べたいもの欲しいものが増えていき出費がかさんでしまうのだ。
「このまえ服買ったばっかだけどお金大丈夫?」
「むー、そういう所はちゃんと考えてます!、そういう優斗はどうなのよ!」
「うーん、俺は…」
碧といつか近くに旅行したいなと考えているためお金を貯めている最中なのだ、行けるかどうかは分からないが
「今、貯金してるんだよね」
「ちゃんと計画的にしてる!」
なにをそんなに驚く要素があるというのだろうか。
「じゃあしばらく行けないね〜」
「いや、行く」
「計画はどうするの!?」
碧のためにかけるお金は一切惜しくないから行くに決まってるじゃないか。うん、そういうことにしておこう。
「だって…碧と一緒に居たいし」
「!?…もー!、優斗はそういうとこずるい!」
怒られてしまった。恥ずかしがってるようにも見えるが、ここは素直に謝っておこう。
「なんか、ごめんね?」
「いや、別に怒ってるとかじゃないし…」
怒られてないようで安心した。あと、ちょっと怒ってるようなぷくって頬を膨らませた表情はやっぱり可愛いと思う優斗なのであった。
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