第3話

「今年の文化祭、なにやるか意見言ってくださーい。」


もう文化祭のやることを決める時期か。またあと1ヶ月だしそれもそうか、なにかやりたいことがあるのかと聞かれると、特にないと答えるんだがね。


「ねぇねぇ優斗、なにかやりたいことってある?」

「んー、いや、特にはないかな。」

「私はあるんだよね〜、ほら、メイド喫茶。」


あー、アニメとかでよく見るやつ。結構ポピュラーなイメージあるけど、実際やるとなると、出すメニューの準備や、予算とか、後設備も色々考えなきゃ行けないことが多く、実際やってるところはそこまで多くないような気がする。


「はーい!、メイド喫茶やりたいでーす!」

「お、いいじゃん。」

「「やりたいやりたーい。」」


クラスのみんなの反応は概ね良さそうだな。憧れもあるだろうし、やってみたさもあるし、なにより碧のメイド姿を見てみたいという思いがある。


「私のメイド服姿気になる?、優斗には見て欲しいな〜」


恥ずかしがっていたり、あまり賛同していない生徒もいるが、碧はノリノリのようである。言い出した本人と言うこともあるが、そんなに見せたいのだろうか。


「時間空くだろうし、店には来るよ。」


メイド服姿見たいし。そう口には出さず心の内に留めておく。

他にも案がちらほらでて集計の時間のようだ。そして一番の票数でメイド喫茶をすることになった。


「衛生面での問題もあるから、またいろいろ取らなきゃ行けないけど、先生は君らのやりたいことを応援したいから、許可取れるように頑張るぞ。」


どうやら先生も乗り気のようだ。クラス全体が盛り上がった中、詳細は後日ということで今日の授業は終わった。


「ねぇねぇ、楽しみ?」

「そりゃもちろん。」


楽しみにしない人がどこにいると言うのか、少なくとも自分は楽しみにしている。


「メイド服持ってるし、なんなら着てるとこ写真に撮って送ろうか?」

「…いや、今はいいよ、文化祭の日までの楽しみにしときたいし。」

「そうかそうか〜、そんなに楽しみにしてくれるんだ〜、へ〜」


そう言ってニヤニヤしながら隣を歩いていたのであった。

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