第6話
日が登るまで夜通し作業をしていた私は思っていたよりも疲労が溜まっていたようで、時間になって先輩に起こされるまでよく寝ることができました。
起きるとユーリ先輩が来ていて、ニコニコしながら言いました。
「じゃあ早速、ランニング50周からはじめて行くっすよ!」
起きたばかりで寝ぼけていた私は、抵抗する間も無くあっさりグラウンドに連れて行かれました。
今日はグラウンドを作るだけで終わりだと思っていたのですが、そういえば作業中に日を跨いでいたのでした。
ランニングをした後、バテて地面に仰向けに倒れる私でしたが、ユーリさんはそんなことお構いなしに次の訓練内容を告げてきます。
「次は銃の使い方を教えるっす。5分後、サージ特等歩兵と一緒に射撃場に来てください」
「ま、待ってください…休憩時間、短すぎ……」
「何を言ってるっすか、普通なら100周のところを50周にしてあげたんっすから感謝するっすよ」
どうやら私がここに来たのは間違いだったようです……。
5分後時間通り私はサージ先輩と射撃場に来ていました。
うわぁ…すごい強そうな人がたくさんいます……。私もあの人達のようにマッチョになるのでしょうか…うえぇ……想像するとかなりの違和感が。
「あ、2人ともこっちっす!」
「おぉユーリじゃねぇか!まだくたばってなかったのか」
「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ。サージ先輩」
えぇ……?二人の視線の間で火花が散っているように見えるんですが…。
この二人、昔何かあったのでしょうか…?
「じゃあタウラちゃん、まずその銃の使い方を説明するっす」
「は、はい!」
「この銃はボルトアクション式って言って、まぁ簡単に言うと連射ができない代わりに射程と精度が良くなった銃、みたいな感じっすね」
ユーリさんの話をまとめると、引き金を引いた後に、銃の横にあるレバーを引いてから次の射撃をしなきゃいけない、という事のようでした。
実際に使ってみるとユーリさんの言った通り使いやすくて、百発百中でした。
ユーリさんは驚いていましたが、サージ先輩はオレの嫁なんだからこれくらい朝飯前だ、と言ってました。
いつから嫁になったのやら、いちいち否定するのも面倒なので放っておきましたが。
それから1週間はずっと同じ事の繰り返しでした。空いた時間は他の兵科の先輩方にいろいろな技術を叩き込んでもらい、急ごしらえですが並の兵士くらいにはなれたと思います。
そしてついに、訓練の成果を披露する時が来ました。
「マドリーシヤ大攻勢」まだ残り5ヶ月と3日
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