これは深い……思った以上に深い壺の中に手を差し入れてしまった気がします。
母の持つ独特な感性、それをどうにか理解したいとは思うけれど、文章どころかたったの数文字の持つ刺々しさに阻まれる──読者としてもそんな感覚に悩まされました。
ただ、その悩みは決して嫌なものでもなく、かといって快いものでもなく。ただただ不思議な感覚です。本質的な部分で『母』を、彼女の持つ世界を、言葉を理解できないことに苦しまされるのは、私だけではないのかもしれませんね。
ついでに、おそらく脱字だと思うのですが──。
『中身を確認し、問題ないことを理解した母はそれを風呂持って行く。』
の、『風呂持っていく』の部分は、『風呂へ持っていく』等の脱字ではないでしょうか。違ったらすみません💦
非常に興味深い世界観で描かれた短編、面白かったです。
作者からの返信
執筆、というものを立体的に考えたとき、一体どういう景色が見えるのだろう、と思い、そこから着想を得た小説がこれでした。
実際「書く」という作業は、楽しさと同時、苦しみや辛さが伴う場合が多く、私も私の描いた『母』の本質の部分は理解できていないのかもしれません。
脱字のご指摘、ありがとうございました。
改めて読み返してみると、他にもいくつか気になる箇所があったので風呂の部分を含めて細かく修正しておきました。
読んでくださり、また教えてくださりありがとうございます!
コメント失礼します。
文字を拾って壺に入れる、壺に入っている文章を洗ってタオルドライして干す。
なんとも不思議な世界。
けれども、描写が分かりやすく、淡々としたお母さんの語りもあり、その世界観になぜかスッと入り込めてしまいました。
小説が壺の中で作られた文章だとしても、それを書き写す作業はとても大変なことだと思うので、お母さんはただ者ではないのだと思います…。
作者からの返信
母親、という役割に頻繁に割り振られる「洗濯」や「掃除」が本当の意味での「仕事」になり得たら、あるいはこういった異常な出来事が起きてしまうかもしれない、それはとても残酷でありながらユーモラスなことかもしれない、と思ったりもします。
母の作業を執筆と呼ぶか、書記と呼ぶか、どのみち容易いことではないのかもしれませんね。