第2話 「アイスコーヒー」お題・喫茶店
行きつけの喫茶店で僕は、ほぼ氷だけになった、アイスコーヒーの最後のひと口を
……ああ、なくなってしまった。
そのうちまた、店員が注文を聞きに来るだろう。そしたら四杯目だ。
さすがにもう、飲みたくない。
けれど、帰るわけにもいかない。
だって、今日はまだ。
からん、とドアベルが鳴って、誰かが店に入って来た。
──彼女だ!
僕はテーブルに置いたままだった文庫本に手を伸ばし、さも読書中ですよ、という
文字を追うふりをしながら、横目で彼女の姿を追う。
ああ。ここで彼女を見かけてから、何ヶ月が経ったのだろう。
未だに声をかけるどころか、名前すら聞けていない。
──よし。決めた。今日こそ、声を掛けてみよう!
と、決心した瞬間。店員が注文を聞きにやってきた。
思わず
結局、今日も、四杯目のアイスコーヒーを飲むことになりそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます