第89話

「……で、君はいつまでここにいるつもりなのかな」


「はいはい、邪魔者はさっさと退散しま〜す」


 



またしても音もなく姿を消した童顔マンに、私はしてやられた気持ちでいっぱいだった。



甘やかされるだけの人生、という言葉がぐさぐさと突き刺さった。快適さに甘んじて最近は目を逸らしていたけど、心の奥底では焦りを感じ始めていたから、余計に。



 

……うん。ちゃんとしよう。



仕事を見つけて、自分でお金を稼げるようになろう。一人で生きられるように自立しよう。新に甘えてばかりの生活から脱却するんだ!

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