第77話
「そろそろ休憩にしよう。モネは今日もカフェオレ?」
「うん」
私は最近、コーヒーを飲む練習を始めた。蔵の中はいつもコーヒーの香りがするから、純粋に興味が湧いたのだ。
まずはカフェオレからスタート。今はまだミルクたっぷりなやつだけど、いつかはブラックコーヒーを平気な顔で飲める大人になりたい。
「新さん、コーヒー豆を買いに来ました」
ほくほくとカフェオレを口にしていると、聞き覚えのある女性の声が耳に入ってくる。何気なくそちらに視線を向けた私は、カフェオレを吹き出しそうになった。
垣根の上から文香の生首だけが出ている光景は、なかなかの衝撃映像である。
「いらっしゃい、文香ちゃん。……どうしてそこから顔を出してるの?」
「お二人を鑑賞していました」
「鑑賞?」
私たちに向けて合掌する文香。新は首を傾げながらも、蔵の中へと彼女を招き入れた。1週間ぶりにやってきた文香は、今日も着物をバッチリ着込んでいる。
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