第49話
「心は誤魔化せたつもりでも、体は正直なんだよ。今は無理せず、寝られる時に寝てしまったほうがいい」
私はただ寝て起きてを繰り返しているだけなのに、新は全てを許してしまう。この男の甘やかしは止まらない。でも、私には罪悪感を抱けるほどの心の余裕もない。
「新……寒い」
「寒い?もっとそっちに寄ろうか?」
「うん」
新は本を閉じて、私の肩を抱き寄せる。涙で冷えた瞼を新の親指が攫っていくと、ゴロゴロと喉を鳴らしそうになる。
「おやすみ、モネ」
「……おやすみ」
何度目かの二人のおやすみは、もう何年も繰り返しているような、耳馴染みのあるものになっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます