第45話
怖い、と言ってしまえば、私たちの関係はこれっきりになる。そんな予感があった。
今まではそれでよかった、それを望んでいたはずだったのに。私の頭はおかしくなったかもしれない。
恥ずかしくて目を合わせることはできない。誤魔化すように新の胸元にぐりぐりと頭を押し付けた。意識すると新の胸板が薄くはないことがわかる。これは…わからないままでよかったかも。
私の行動をどう捉えたのか、新は私をぎゅうぎゅうに抱きしめた。ちょっと苦しいくらいだ。
もしかして、結構喜んじゃってる?それはそれで悔しいものがある。
「ねえ、モネ。俺なら、君を狙う人間の正体を突き止められるし、君にとって脅威となるもの全てから守ってあげられる。だから、もうしばらくここに住まない?」
甘い甘い提案に、私は一瞬呼吸を忘れてしまい、はあ〜、と大量の息を吐き出した。危ない危ない。なんだか良くないところに落っこちてしまいそうだった。
「それ、新になんのメリットもなくない?」
「メリット?」
「だって、私、お金持ってないし、命は狙われてるし……獣人だし。厄介者でしかないよ」
「うーん。俺はモネとの生活が楽しくてしょうがないよ。それにすごく癒されるんだ。この家は一人で住むには広すぎるから、モネがここにいてくれたらなって思う。君さえ良ければ、だけど」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます