第24話
「モネ。お風呂に入らない?」
「お風呂……」
「モネの傷の治りが早いから、入っても大丈夫だと思うよ」
「……」
「熱でたくさん汗もかいてたし」
慌てて汗の匂いを探り始めた私に、「モネがさっぱりしたいんじゃないかと思ってね」と、やんわりフォローが入る。
新はどこが誇らしげに、この家は温泉を引いていることを教えてきた。温泉街の近くにある家だからできる贅沢だと言う。
大抵の日本人は温泉に喜ぶんだろうけど、残念ながら私はそれに当てはまらない。
確かに体と髪はベタついていて気持ち悪い。それを解消するためにはお風呂に入るべきだってことは流石にわかる。わかるけど……私はお風呂があんまり好きじゃない。
バスルームのあの閉じ込められる感じとか、音が変に反響するのが苦手。
そして、何より。
「面倒くさい」
最大の理由は、これに尽きる。
特にお風呂から上がったあとの、着替える・髪を乾かす・肌ケアの行為。
とても手間だし時間もかかるし、ぶっちゃけ嫌いだ。
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