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第14話
丸2日間、私は布団の上で過ごした。
大半は高熱にうなされていたけれど、意識が浮上すると必ずあの男がそばにいた。私はそのことに安堵して、再び深い眠りにつく。その繰り返しだった。
……そして、3日目の朝は自分のお腹の音に起こされた。
ぐう、という間抜けな音が部屋に響き渡る。
上体を起こすと、粘着力を失った冷えピタが掛け布団にポトリと落ちた。
「めっちゃお腹空いた……」
「何食べたい?」
「……わっ!?」
まさか、返事が返ってくるとは思っていなかったので、素っ頓狂な声が出てしまう。
びっくりしすぎて私の体がぴょんっと飛び上がる。その勢いのまま和室の隅に逃げ込んだ。
「ごめんね。驚かせちゃったかな」
毛布を体に巻きつける私の元に、ゆったりとした足取りで近づいてくるのは例の変な人。しゃがんで私に目線を合わせると、美しい顔に微笑を浮かべた。
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