第13話

……どれくらいの時間が経ったのかわからない。気づけば私は平らな土の上に倒れていた。



痛みで頭がぼーっとする。「とにかく逃げないと」、それしか考えられなくなっていたので、無意識に人の気配を探っていた。



鼻を動かせばわずかに人の匂いがして、それだけでなんだか泣きそうになってしまう。



身体を引き摺りながら冷たい地面を這っていくと、開けた場所に出た。




力を振り絞って顔を上げる。そこにはタバコを片手に驚いた表情で私を見下ろす男の人がいて。


それを目に留めた途端、私の体が縮んでいく。


 

 ――たすけて。



その言葉を口にできたかどうかは分からないまま、私の意識はそこでぷつんと途切れた。

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