第20話傘を武器に

傘は、奴らの襲撃から身を守るのに大変有効だった。なにしろ、日本では、民間人の銃の所有は認められておらず、映画みたいに銃で武装できない代わりに、傘を使い捨ての武器として、たくさん持ち歩くことにした。ゾンビは腐乱しているから、傘でも十分に貫くことができるし、バネでワンタッチで開く傘は、知能のないゾンビの目の前でパッとさせば、めくらましにもなる。しかも、梅雨のある日本では、傘が容易に入手しやすいから、使い捨てしやすい武器として重宝した。傘を有効に使い、生き延び続けてきたが、生物である以上、いずれ死は来る。その時は蘇らないように火葬されるようにしておかないと。正直、今、ゾンビに襲われる事よりも、自分が死んだときに自分がゾンビにならないかという不安が大きい。

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