第11話この子は病気なだけです
「この子は病気なだけです」
その夫婦はゾンビの群れから命からがら逃げてきて、その避難所に逃げん込んだ人たちだった。夫婦に噛み跡はなく、問題は奥さんが抱えている赤ん坊だった。
「その子、死んでるんじゃないのか?」
同じ避難者のおっさんが、強引にその赤ん坊を取り上げようとしていた。泣かずにぐったりしていたからゾンビと疑われたのだ。母親が、そのおっさんの手から赤ん坊を守る。
「やめてください、この子は熱があって、早くお医者さんに診せたいんです」
「ますます怪しい。みんな取り押さえろ。ゾンビが紛れ込んでいるぞ」
そのおっさんの声に、避難所にいた人々が従い、その夫婦から赤ん坊を奪おうとしたが、旦那さんも一緒になって抵抗し、その避難場所を夫婦そろって逃げ出した。
「ゾンビを追い出してやった。ここは、俺が守ってやる」
と、おっさんは威張っていた。が、ゾンビウイルスに対抗するワクチンが完成し、事態が収拾する頃、その避難所は食料不足で、内部で食料の奪い合いが起きてそのおっさんともども全滅し、避難所の外に逃げ出して、サバイバル生活を続けた夫婦は赤ん坊と一緒にワクチンを打った軍隊に無事に保護された。
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