第88話
「私は決して芹沢くんのストーカーってわけじゃ、」
「わかってる。ニヤニヤしながら注文してたしな」
「な、見てたの!?」
気づかれてないと思ってたのにそんなところを見られてるとは思わなかった。
かぁっと頬が赤くなる。
「声で気づいた」
私が気づくよりも先に気づかれてたとは。
「私は重い話してるカップルいるなぁと思ったら芹沢くんでびっくりしたよ」
「カップルじゃないけどな」
「ちなみに話のほとんど盗み聞きしてた」
「……まぁ、そうだろうなとは思った」
先に懺悔しておこうと思ったのに全部見透かされていたらしい。
怒っているというよりは今の芹沢くんは疲れているように見える。謝っていたあの子も相当な勇気が必要だったかもしれないけど、それは芹沢くんにとっても同じで受け止めるのも大変だったはず。
そう思うとなんて声をかけたらいいかわからなかった。
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