第85話

最近出来たお店でジェラートでも食べて帰ろうと、歩き出す。


スーパーやコスメを売っているお店から少し離れたところに出来たそこはジェラートの他にもフルーツジュースも売っている。


店内の装飾もポップで可愛くて、女子高生が学校帰りに寄ることが多いお店だ。



店内に入ると冷房が効きすぎていてぶるりと体が震えた。




「ご注文はお決まりでしょうか?」


「えっと、バニラ&ストロベリーのジェラートと、オレンジジュースで」


「かしこまりました。少々お待ちください」




案内されたカウンター席から周りを見てみると、カップルが多かった。


やっぱり休日だからデートする人多いよね。


ひとりぼっちで虚しく感じながらも、夏休みはいっぱい遊ぶんだし大丈夫と自分を慰める。




「それでこんなとこに呼び出して、今更何の話?」


「…っ、中学の時のこと、謝りたくて」




最初は別れたカップルが話しているのかと思った。




「私が芹沢くんを傷つけたこと」




え?



聞き間違いなんかじゃない。


はっきりと聞こえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る