第75話
女子からは結構、好評だったんだけど。
芹沢くんの好みじゃなかったのか。
「芹沢くんの好きな髪型あったら、」
「似合ってる、割と」
教えてよ、と続けようとすればその声に目を見開く。
今聞こえてきたのは幻聴じゃないよね?
パチパチと瞬きを繰り返しても、目の前にいるのはあの芹沢くんだ。
「…っ、あのね、その“割と”は要らないから!」
「最大限に褒めたつもり」
「それなら褒めるのが下手くそなんですけど」
「さっきの言葉は撤回で」
「うそうそ!似合ってるでしょ、割と」
ムッとした表情で離れようとするから慌てて引き止める。
「…ははっ、必死すぎ」
芹沢くんはそんな私を見て堪え切れずに笑いを溢す。
悪戯な笑みを浮かべて本当に楽しそうだ。
さっきのことがあるからもっと不機嫌かと思ってたのに全然そんなことない。
というか、むしろ上機嫌?
それはそれで嬉しい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます