「……だる」

黙って先輩の話を聞いていた芹沢くんが最初に放った言葉はあまりにも短く、そして言葉通り気怠げな声だった。

「はぁっ！？何なの、私が告白してんのにその態度は何？」

「先輩こそ俺が簡単にOKしてくれると思って告ってきてんの丸分かり」

図星なのか先輩は顔を真っ赤にさせて、さっきの潤んだ瞳はどこへ行ったのか、芹沢くんを睨み付ける。

「やっぱり、あの周りにいる奴らもそうだけど、あなたも性格が終わってるわね！！」

………あ。

絶対、今、芹沢くんの地雷を踏んだ気が。

「先輩、俺らの方でも有名ですよ」

「っ、え？」

「自分に似合う相手だったら誰でも良いって自慢げに語ってる女だって。男のことをステータスで見てる人って俺、無理なんですよね」

にっこりと微笑むその姿は明らかに仮面を貼り付けている。

あまりにも怖すぎる雰囲気に先輩は怖気づいて、何も言わずに逃げるようにして立ち去ってしまう。

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