第70話

「私たちも見に行く?」


「ちょっと気になるかも」


「ふふっ、じゃあ行こうか」




三奈はいつもは下ろしている髪をゆるく巻いてポニーテールにしている。歩くたびに揺れる髪が可愛い。


私も長い髪をツインお団子にしたおかげで首の後ろがすっきりしている。


クラスにヘアアレンジが得意な子がいて、その子が朝からクラスの女子全員の髪をいじっていた。もちろん私達もやってもらって、今この可愛い髪型になっている。



体育館に着くと既に中は生徒で溢れかえっていて、熱気のせいかもわっとした空気に包まれていた。


この時間帯だとまだ決勝戦とかじゃないのに、凄い人の集まり具合だ。



女子の黄色い声援に、男子の雄叫び声。


まさに球技大会って感じだ。




「あ、あそこでやってるのが1組と4組じゃない?」


「ほんとだ!うわぁ、すごい白熱してるねぇ」




流石男子といったジャンプサーブから始まり、それを難なく拾って次に繋げるレシーバー。そしてボールを受け取ったセッターがトスを上げて、勢いよくボールを叩きつけるスパイカー。


うわ、あんなの絶対取れない。


そう思った瞬間、それを腰を低くして拾う相手のチーム。




「すごい!!レベル高すぎてプロの試合見てるみたい」

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