第64話

「崇音ー!!ぼーっとしてると置いてくぞー!」




ハッチー達はいつの間にか教室の外に出ていて、芹沢くんを呼ぶ。


そう言えばさっきハンバーガーを食べたいって言ってた。これから食べに行くらしく、ハッチーは早く食べたいのかそわそわとしている。




「よいしょ、っと。ほら、私もこれから帰るし、ハッチー呼んでるんだから行こ?」


「ほんと、元気だな。あいつらは」


「芹沢くんが落ち着き過ぎてるだけだよ」




焦ってるところなんて初めて会った時くらいしか見てない。



教室を出ると生温い空気に肌が触れる。


廊下に差し込む太陽の光。


人気のない廊下には声がよく響く。




「ハンバーガー食った後、駅前近くのラーメンも食べたいんだけどいいー?」


「あそこのラーメン超うまいって聞いたわ!確か、ストーリーにも載ってたし」




前を歩くハッチー達の言葉に驚きで目が点になる。


今のは聞き間違いじゃないよね?




「え、ハンバーガーの後にラーメン?」


「いつものことだから気にすんな」


「芹沢くんも食べるの?」


「まぁ、普通に食べれる」


「へ、へぇ」




高校生男子の胃袋恐るべし。


聞いているだけでお腹いっぱいだ。

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