第65話

◻︎


芹沢くんと出会って1週間が過ぎた。


前よりはいっぱい話せるようになったし、話してくれるようにもなったと思う。


だけどまだちゃんとした想いは伝えられていない。


今の何気ない会話が途絶えると思うと、中々行動に移せない。



芹沢くんに書いてもらったプロフをじっと見つめる。


せっかく書いてもらったのに全部に目を通してなかったんだった。


裏返してみれば表よりも書くスペースが多い。




「告白した回数は0回、告白された回数は6回」




まだ高校1年生だよね?


多くない?


いや、モテるのはわかってたけどさ。


中学でどれだけ人気だったんだろう。


というか中学時代の芹沢くんが気になり過ぎる。



目線はゆっくりと下の方に向かっていく。



というか、こんな風にドキドキしながら人の書いたものを見るの何年ぶりだろう。


小学生の時はお互いに書いて見るのがすごく楽しかったのに高学年になってくると自然とやらなくなったからなぁ。




「……好きな人は、いない」




これは見なくてもわかりきっていること。

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