第61話
運動が得意なこのメンバーにとってはどうにかして球技大会出場禁止は免れたかったってことか。
「今日、ハンバーガー食べに行こうぜ!新作出たらしいし!」
「良いね、それ」
「俺金欠だから誰か奢ってー」
「奢ってあげる」
「うわ、神!ありがと!」
男子らしい会話にクスリと笑いが溢れる。
「…っ」
皆が会話に夢中になっている中、黙って話を聞いている芹沢くん。ハッチー達を見守る瞳は優しい。
そんな芹沢くんの隣の席に座ると、その視線が私に向く。
窓から吹き込んだ涼しい風にカーテンがひらひらと揺れる。
前髪が目にかかり、それを耳にかけるとまた目が合う。
時間が止まってしまえばいいのに。
そうしたらずっと芹沢くんのことを見ていられる。
「なんか芹沢くんの隣って心地良いね」
「……そりゃ、よかったな」
皆には聞こえない大きさでそう告げると、一瞬動揺した瞳は揺れてすぐに元に戻る。
ちゃんと私の言葉に反応してくれたことが嬉しくてにんまりと口角が上がってしまう。
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