第45話

◽︎




「最近の華子ちゃんすごく楽しそうだね。何かあったの?」




正門を出るまで一緒に帰ろうと廊下を並んで歩いていると、三奈が不思議そうに聞いてきた。




「……実はね、気になる人が出来たの」


「えぇ!ほんと!?」


「うん。仲宗根くんの友達の、芹沢くんって男の子」


「そっかぁ。また話聞かせてね!」




三奈は自分のことのように嬉しそうに笑ってくれる。


中々恥ずかしくて言い出せなかったことをやっと言えてホッとする。


私もこんなに早く見つかるとは思ってなかった。だかから少し戸惑ってる部分もある。




「わ、朝は降ってなかったのに」




2人で玄関まで辿り着くと外はどんよりと暗く、ポツポツと雨が降り始めていた。




「私、傘持ってきてないや」


「私も天気予報は晴れだったから持ってきてないなぁ」




立ち止まり、顔を見合わせる。

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