第42話

言いたいことはなんとなくわかる。


だってその顔に“何してんだよ”と書いてある。



朝のSHRが始まる前。


私は5組で、芹沢くんは4組。



そう。


隣のクラスの私が教室の中で平然とトランプゲームをしているのだ。


それは芹沢くんじゃなくても不思議な光景に見えるだろう。


しかも黒髪で規則を正しく守っている普通の女子である私と、派手グループという異色の組み合わせだ。



もちろん何の目的もなしに、違うクラスにトランプをしに来てるわけじゃない。


でもババ抜きはいつしても面白いけど。って、そんなことは置いておいて、今私がここにいる理由はただ1つ。


芹沢くんとの距離を縮めたい。


これ以外に理由なんてない。



確かに最初隣のクラスに入るのは緊張したけど、慣れてしまえば大丈夫だった。


芹沢くんが来るのを待ちたいと伝えればハッチー達は喜んで協力してくれたし。と言っても、暇潰しの相手になってくれただけ。




「なら、早く自分の教室に帰れよ」


「いやいや!芹沢くんが来てすぐなのに?」


「俺に会うのが目的ならそれは今達成されただろ」


「う、冷たくない?」


「平常運転」

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