第27話

「どうしても名前が知りたくて!」


「そんなの仲宗根から聞けば済むだろ」


「直接聞きたかったの!」




にっこり笑うと怪訝そうな顔をされてしまう。


あれ?


もしかして私、距離の縮め方間違えた?


押せるとこまで押せ精神が私にとっての恋愛の土台なんだけどな。




「せっかく女子から話しかけられてんのに嫌そうな顔すんなよ。教えてあげたらー?」


「……だるい」


「じゃあさ、俺の名前教えてあげ、ってうわっ、何するだよ!?急に殴ってくんな!!」




左隣にいた吊り目の人がニヤニヤとした声で揶揄うと、頭に鉄拳を食らう。


今のは普通に痛そう。




「邪魔だから先に自販機行ってて」


「はいはい。ほら、行くぞ」




金髪の人が数人を引き連れて私達から遠ざかって行く。

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