第20話
「あ、てか、さっきの質問の答え教えて」
思い出したかのように真面目な顔つきになり、真っ直ぐに私と向き合う。
黒に近い茶色の瞳が私を映して揺らめく。
さっきの質問って、あの私がつい言っちゃった言葉の意味を答えろってこと?
忘れてくれてるのかと思ったのに違うのか。
知らんぷりしたくてもこの人には恩があるから出来そうになくて、おずおずと口を開いた。
「…えっと、あなたがすごく諦めたこと言ってるから勿体ないなぁと思って、つい口に出しちゃったの」
「実際諦めてる」
「なんで!?」
モテそうなのに、という言葉をぐっと飲み込んだ。
「俺にとって恋愛は優先価値が低いし、何より相手を大事にできないと思う」
問題があるのは自分だと告げる。
どこかのバスケ漫画の名言がふと頭の中に浮かぶ。
諦めたら本当にそこで終わってしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます