第14話
「……え?」
戸惑いを含んだ声は私でなく目の前から聞こえてきた。
あれ。
今、私声に出てた…?
顔を動かしてよく見れば、段ボールの向こう側に今朝目にしたばかりの人達がいる。
まさかさっきの言葉が直接本人に伝わってるとは知らずに視線を上げた私はポカンと口を開けたまま、固まった。
2つの視線の矢が私へと突き刺さる。
ま、まずくない?
この状況。
パチパチと瞬きを繰り返しても目に映る景色は変わらない。
安定の存在感を放つ仲宗根くんとその隣には見覚えのあるミルクティーみたいな甘そうな髪色の男子が立っている。
指定の白ではなくグレーのカーディガンに身を包み、仲宗根くんの隣に立っていても引けを取らないスタイルの良さを持つその人。
私の言葉を不思議そうに思っている様子だった。
「どういうことだ」と明らかに顔に書いてある。
そこにほんのりと苛立ちが含まれているのは気のせいだと思いたい。
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