「そういう三奈は最近どうなの？大好きな推しのこと」

「へ？や、えっと、」

“推し”と言われた瞬間ポンっと赤くなる顔。

「あのね、最近よく仲宗根くんと話すようになったんだけど1つ心配なことがあって」

コソコソと話し出したのはきっと周りに聞こえないようにするため。仲宗根くんはファンが多いから妬まれるのは避けたいらしい。

私も出来る限り三奈の顔の方に耳を寄せた。

「本人の前だとどうしてもテンパって欲望を曝け出しちゃうの」

「例えば？」

「この前は写真集作らせてくださいって言っちゃった」

「ある意味すごいんじゃないの？それ、断られた？」

「ううん、等価交換でOKしてくれた」

断ってないあたり、あっちも満更じゃなさそうなんだけどなぁ。

「でもっ、私のこと変態やストーカーだと思ってるかも！その通りなんだけど！」

「その通りなんだ」

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