魂を血塗れた翼に転換する咎を葬った

 画布の向こう側に楽園を描く

 金の扉は開かれた

 数多の魂は虜となりて

 酔いしれるように堕ちて逝った

 私は求められたが故に描いただけ

 蒼の意志がそうさせたのだ

 私は悪くない

 私に罪はない





【魂が隷属する器】


  魂は花

  肉体は隷

  永遠を赦されぬ土塊

  滅びを尊ぶ無名の器

  散り逝くことを美徳と定め


[魂が求めた7番目の詩]




【血塗れの絵本】


  無知な女神の愛読書

  四つの柱の花筐

  赤い絵の具で落書きされて

  塗り潰された言の葉一つ

  全ては幻影の内側に


[血塗れて探した21番目の詩]




【翼を失った鳥の歌】


  この誇らしき魂を失おうと

  滅び逝くこの肉体は渡さない

  還るべきは蒼穹の彼方

  此処は大地母神の牢獄

  在るべきは天の父の御腕


[罪が遺した35番目の詩]




【転換を前提とする儀式】


  争いの終止符を打つ事を理由に

  平穏の世を築く事を前提に

  勝者となる事を目的に

  煉獄の業火は厳かに焚かれる

  咎人は救世主に成り変わる


[血塗れて探した24番目の詩]




【咎は都雅なる利鎌の月夜】


  月明かりに導かれる剣士

  月夜に歌う麗しの歌姫

  金の利鎌を水面は映す

  それは世界を繋げる扉

  向こう側を目指し堕ちて往く


[彼が作った6番目の詩]

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