語り部は騎士の朽ち果てた剣を琥珀に封じた

 我らが生きた空は崩れ果て

 もう一つの世界へと循環する

 きっかけは外側の人間の存在

 誰がこの地を作ったのだろう

 朽ちた空に一番近い場所

 王は救世主を求めていた

 暗闇を切り裂く英雄を

 本当の君は何処にいる




【語り部となった一族】


  数多の命を奪い去り

  数多の命は守られた

  我らは故郷を失えど

  唇には双眸の記憶が宿る

  清濁の時を永遠に刻もう


[魂が求めた13番目の詩]




【騎士が逃げ落ちた教会】


  異国の騎士は諸国を流離う

  海に抱かれた丘の教会を知る

  未来を背負う船を見送り

  過去に絡み付く神に身を捧ぐ

  独りの牧師は黙して微笑んだ


[彼が作った1番目の詩] 




【朽ち果てた色を宿す虹】


  暗闇が望まれた時代

  孤独の海に涙を落とす

  偽りの空の落とし物

  拾った渡り鳥は虹の友を呼び

  世界を彩る意義を説く


[彼が作った3番目の詩]




【剣を手にした少年】


  如何なる罪を犯そうと

  如何なる罰を受けようと

  失ってから気付くことは許されぬと

  一つの意志は一振りの剣を生む

  少年が英雄になるまでの前奏曲


[余話が歌った43番目の詩]




 【琥珀の森に住む少女】


  裸足の少女は月夜に歌う

  蠍の毒に蝕まれることを望みながら

  琥珀に封じられた幾千の魂

  眠ることが許されぬ意味を問い

  まどろむ蠍は夢を見た


 [夢が見せた17番目の詩]

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