蒼の意志は海の絵描きに王を描かせた

 始まりを求め彷徨う魂一つ

 私はあなたに会いに行こう

 その羽を休める安息の地を

 あなたが愛した海が見える場所に作ろう

 筆が走れば楽園は開かれるから

 ここを旅路の終着点にしよう

 善良な王は世の安寧を求めるから

 ここにあなたが辿り着けますように




【蒼の旅人に捧ぐ】


  彼の名前は誰も知らない

  蒼の旅人と誰かが言う

  始まりの人と誰かが言う

  彼の旅路に祝福を

  亡羊となりて君を待つ


[魂が求めた12番目の詩]




【意志を持つ街】


  迷い子を導く為の道を拓き

  商人を助ける為と下り坂を生み

  外敵を拒む為に外壁が聳え立つ

  愛しき子らに応える街は

  深い深い水底を今は望む


 [魂が求めた10番目の詩]




【海の向こう側に臨む船】


  遥か彼方を往く渡り鳥を追う

  その瞳に映る世界を知ろう

  学者と商人は夢を見る

  全知とは賢者の愛称と笑い合い

  船歌と共に風浪と共に


 [夢が見せた16番目の詩]




【絵描きが筆を折った庭】


  幻想の創造主

  この楽園を求めてはいけない

  あなた方の幸福は描けない

  其処は庭の底

  忘却を喪失させる場所


 [罪が遺した39番目の詩]




【王を屠る時代】


  かつての王は聡明であった

  今は暴君成り果て倣う

  救世主を生み落とす儀式

  暗愚なる王が築く平穏

  転がる首が導くか


 [彼が作った2番目の詩]

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