第46話

それから僕は


四日間かけて

その本を読み切った。


読むのが速い人が

読めば(例えばアカネが)、


もっと早く

読み終えるのだろうが、


僕はこんなにも

時間がかかってしまった。


けれど、

一つわかったことがある。



この物語の主人公は

紛れもなく僕であり、


過去にいるヒロインは

アカネであると言う事だ。


まるで予言の書でも

読んでいるみたいだった。


やはりじいちゃんの

仕業だった。


じいちゃんは

余命一年を残して逝ってしまった。


そしてきっと


その残された


“一年”という時間を

僕に与えてくれたのだ。



本を閉じ、

カレンダーを見つめた。



明日が

アカネの命日だった。


本当は

行く気はなかった。


けれど、アカネを


二度も死なせたのは

僕の責任だ。


僕はそれを受け入れる

という最後の仕事が待っている。

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