第45話

「久しぶり…ですか?」


「ええ、

アカネのお葬式で」


この二年の内に


僕の知らない事が

起きているようだった。


僕はあの後、


アカネの葬式に

出ていたらしい。


「そうですか…」


「ちょうど良かった。


十五日に

アカネの三回忌を

そっちに帰ってやるんです。


木口くんも

来ていただけますか?」


「あ、はい」


「そう、よかった。

じゃあ待ってます。


それより

…なにか用だった?」



「いや、

そういう訳じゃないんです。


すみません」


「そう、じゃあ、また」


電話が切れてもなお、


僕は携帯を耳にあてたまま

動けなかった。



二度目だ。


僕は二度もアカネの死に

直面してしまった。

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