第17話

僕は彼女を連れて

そこにやってきた。


じいちゃんの墓は

なかなか立派なものだった。


両手をいっぱいに

伸ばしても

抱えきれないくらい

大きい。


あの後、

ばあちゃんもここに

入ることになった。


そして母ちゃんは

父ちゃんの方の親戚と

一緒になるとしても、


兄の雅彦や、

その妻もまたここに入ることに

なるのだろう。


何度か来たことは

あるけれど、


こうして家族以外と

来たのは初めてだった。


木のバケツに水を入れて、

手をキンキンに

冷やしながら雑巾をしぼり、

砂埃を落とす。


彼女も手伝って

念いりに磨いていた。

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