第3話

過去の僕は彼女と

一つの約束もしなかった。


間違っていた

とは言わない。


ただ、僕は


自分勝手な“今”

だけをみて生きていたのだ。


その“今”とは

紛れもなく彼女のことで、


そこに“当たり前”という

名の幸せを重ねていた。


そしてそのなかに

“未来”はあるものだと

信じていた。


だから彼女を失った時、

同時に僕は

“今”も“未来”も

失ってしまったのだ。


僕には“過去”しか

残されていなかった。



そして、僕は戻ってきた。


これは偶然や

奇跡なんてものでなく、


僕の人生には

必然的に起きた出来事なのだと思う。


過去にいる“今”の僕。


僕はようやく“今”を取り戻したのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る