第5話理容師になると決める
ヒナとの関係も終わり進路を決める時期になる
学校には通っていたが勉強はしなかった それでもここなら入れると言われた高校も何校かはあった
三者面談が近付いてくる
春の番になり担任に呼ばれる教室に
入ると母の姿がない?
担任からまず二人で話そうと言われたヒナとの件も恐らく知っていたのだろう
『お前は高校にはいくな』
唐突にそう告げられる
春の性格を見透かされていたのだろう高校に行くなと言う教師がいるだろうか?
その時の春は高校なんてどうでも良かった『あーいかねーよ』といい面談は終わった
小さいがなりたいと思う職業はあった
家に帰り夕飯の準備をする母の背中を見ながら春は言った
『俺高校には行かない』
母の包丁の手が止まる
しばしの沈黙の中『じゃあ何するの?』
振り返る事も無く聞いてくる母に
『理容師になる』と告げる
母は一度だけ頷き料理の支度をまた始める
この時違う言葉を発したら包丁が飛んできたのかもしれない
なんとか中卒での就職先も決まり1度担任と職場見学に行くことになったその道中担任から春に対する思いを全て聞いた なんでも早いお前は一番に立派になった姿を周りに見せてやれと言う
職場見学も終わり帰り道担任から就職祝いだと祝儀袋を貰う激励の手紙まで添えて
理容師になりたいとは多分小さな時から思っていた母を見てたからだろう お客様と話ながらも鋏は動く2つ同時に出来る事を凄いと思い憧れもあった 派手な格好でも職業柄許される タトゥーも中2で入れた
水泳の時間に担任がシールだよな?マジックだよな?と涙ながら腕をこすってきた事もあった
そんな春はまともな高校生活は遅れなかっただろう
中学を卒業し就職の準備が始まる
職場には寮があったので初めての独り暮らしになる
引っ越しの時母がお世話になりますと頭を下げてる姿が印象的だった
引っ越しも終え母は帰る時涙を流していた…母の愛情を感じた瞬間だった
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