6
それからも淳たち4人は仕事を繰り返した。
仕事にもこなれてきた。
そんなあるとき、桃子が妙な仮面をもってきた。
それは、よく見る黄色い顔で笑っているキャラクターに似ていたが、薄汚れた白いデザインで、笑い方ももっと悪意に満ちたものだった。
桃子はその仮面を3人に配った。
「なんだそれ?」
淳は差し出された仮面を受け取ってまじまじと見つめる。
「キラースマイリーっていう海外のキャラクター」
桃子はそう言って自分の仮面を見た。
「いつも被ってるやつ、ダサいじゃん?だからこれ使わない?」
「これもダサくねえか?」
淳も拳もあまり乗り気ではない。
ただ唯一里香はこの仮面に乗り気だった。
「いいじゃん、これにしようよ!」
「チームって感じで好き。」
どうやら女子2人はすっかり意気投合しているようだった。
こうなってしまっては淳にも拳にも止められる術はない。
「じゃあさ、私達の名前も決めようよ。」
さらに不愉快な提案がきた。
さすがにチーム名は回避したいところだ。
「漆黒集団」
「ダサすぎる」
「ミッドナイト・エンジェル」
「どこかで聞いたことあるな」
「ハイパー…」
「もういい。」
これ以上待ってもまともな意見は出てこないと思って淳は制止する。
だが、これと言って名案があるわけでもなかった。
「ギャングスタオブカルテッド…」
ぽつりと桃子が呟く。
「カルテットっていうのは4人組みたいな意味だったはず…」
「4人組のギャングか。いいじゃんそれ。」
拳は色めき立っている。
「それでいこうぜ。」
淳は非常にダサいと思ったが、もうそれ以上の名前は出てきそうにない。
こうして、4人は「ギャングスタオブカルテッド」として活動するようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます