5
拳の紹介した仕事は簡単な内容だった。
無人の家に忍び込んで金目のものを持ってくる。
いわゆる泥棒だった。
正直なところ淳はビビっていた。
だが、全てをやり終えたとき、淳はなんとも言えない高揚を感じていた。
今までにない、何かをやりきったという感覚。
それはただの錯覚であったが、淳の心を充分に満たすものであった。
それから淳たち4人はこの仕事を続けた。
仕事はどこかよくない筋から降りてきているようで、いつも拳がその連絡役であった。
この仕事は他にも様々な種類があった。
無人の他人の家に忍び込むものから、老人を騙して金品を巻き上げるいわゆるオレオレ詐欺まで、淳たちは仕事をこなした。
そのうちこの4人には妙な連帯感が生まれた。
捕まるときは4人一緒という一蓮托生な状況が、彼らに結束を生ませた。
こうして淳たちは非行の限りを尽くした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます