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それから淳たちは毎日一緒に過ごした。

里香への一目ぼれははっきりとした恋心に変わり、拳のリーダーシップが淳の信頼を得るのに時間はかからなかった。

ただ、なんともつかみどころがなかったのが桃子。

淳が彼らとともに過ごすようになってすでに数か月が経過していたが、彼女だけはその性質というか、心の内を測りかねていた。

彼らは4人とも淳と同じ西高の学生だが、学校へはほとんど行っていなかった。

そんな彼らに感化されてか、淳が学校へ行く頻度は以前よりも減っていった。

「お前、金欲しくない?」

ある日、淳がいつものメンツで飲んでいると、唐突に拳が尋ねた。

「ちょっと」

何かを察したのか、焦った様子で制止する桃子。

「いいだろ。こいつは信用できる。」

「でも…」

引き下がろうとしない桃子。

だが、結局、拳の勢いに押されてか黙った。

「んで、どうなのよ?」

拳は淳の顔を覗き込んだ。

「なになに。儲け話?」

淳は拳の様子をいぶかしがりながらもそう言った。

「割のいい仕事があるんだよ。お前もやらねえ?」

「仕事?」

バイトの誘いだろうか。

「そう、仕事。先輩の仕事手伝ってるんだけどさ。」

「里香や桃子もやってんの?」

「やってるよ。」

里香は興味がなさそうにスマホをイジリながら手に持ったカクテルを煽っている。

「接客とかならできないぞ。」

「誰もお前が接客できるなんて思ってねえよ。」

拳はそう言ってうんざりした顔をした。

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