「顕家も、そう思うよね。」

四の宮様は淡々と真白くんに尋ねる。

息を飲むと、真白くんは笑った。

花開くように。

「ええ。思いますよ。凛としたその御姿、大塔宮様が傍に置きたいと望まれるのもごく自然なことでしょう。」

その言葉が本当に嬉しくなる。

こんなこと思ってしまって、ごめんね、と胸の内で呟く。

「ね、私もそう思う。」

またにこりと笑う。

控え目だけど、その口調がとても柔い。

きっと、心の底が凪いでいるんだと思う。

その落ち着きが、滲み出ていて安心する。

表情や感情は足りないのかもしれないけれど、暴風雨にも負けないような太い幹を持った大木のように感じる。

彼がそれこそ狼のような激しさで駆けて行くのだとしたら、この御方はどっしりと構えているような御方。

「・・・遅くなりましたが、私、雛鶴と申します。こちらでは、南、と。」

笑って、一度ひれ伏す。

顔を上げると、四の宮様が満足そうに笑って私を見ていた。

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