第29話
「馬鹿言わないでよ!いつこんな大きな子供ができたのよ!!」
「馬鹿は月子のほうだぞ?お前が殿の恋人なら、自動的に俺の母ちゃんになる。一緒に風呂でも入るか!」
デレっと鼻の下を伸ばして笑った左虎くんを見て、今度こそお盆を投げつける。
うまいこと当たって、左虎くんはまた仰向けに倒れた。
倒れた左虎くんに向かって、真白くんは思い切りその頭をはたく。
黒いカサカサした動きの早い例のイキモノを殺す時のように、躊躇せずに思いっきり。
「・・・確かにそうかもしれないけれど、聞き捨てならない台詞を吐いたね。」
真白くんは左虎くんの腕をひねり上げる。
痛たたたたたっっ!と言う左虎くんの悲鳴がこだまする。
思わず目が点になる。
確かにそうかもしれないけどって、どういうことかしら?
真白くんが嘘を吐くことはないと思うけれど・・・。
訝しげに2人を見ていると、真白くんは私に向かって口を開いた。
「こいつは正成の息子だよ。」
「はっ、はああああっっ?!」
叫ぶと、左虎くんは呆れたように口を開いた。
「そんな間抜けな顔すんなよな。まあそんな反応慣れてっけどさ。」
ひねられた腕を擦りながら、左虎くんはそう言った。
「むっ、むっ息子?!!左虎くんが?!」
顔似てないし!!
いや、でも、その喋り方というか性格が時折似ていると感じていたのは確か。
でも息子だなんて。
確かに、正成さんの歳から言えば、左虎くん位の息子がいたってなんにもおかしくはないけどさ。
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